・「飛燕」を教える（2000.08.08 パパ作） 小さな子供（小学校低学年以下）にインラインスケートを教えるのは、とても難しいです。スケート靴を履かせてあげて（自分で履けない）、プロテクターを付けてあげて（自分で付けられない）、やっと準備完了。「まず、足をハの字の逆にして歩く」と言っても、カタカナはわかりません。「ペンギンさんのように歩く」と言わなければなりません。「右足を出して」といっても、左右がわかりません。「おはしを持つ手の方の足を出して」と言います。「ひざを曲げて、かかとでブレーキをかけて」と言っても、ひじとひざ、つま先とかかと、の区別が出来ません。つまり、体の動きを「ことば」を介して理解させることが困難なのです。ケイトも、まだこの段階の子供です。 「飛燕」は私がケイトに教えました。この技はフロントクロス、オープン、バッククロスをそれぞれ左右で行います。私が「そこで右足前のフロントクロス」と言っても、ケイトは「右ってどっちだっけ」で話しになりません。かと言って「おはしを持つ手の方の足を前にして」では次の動きにとても間に合いません。ケイトはどうしても「飛燕」を覚えたいようでしたので、試しにケイトの右足のひざの上を軽くつねってみました。そして「痛い方を前」と指示しました。すると瞬間的に反応して右足を前に出しました。しばらくして足の痛みがなくなってくると、ケイトは自分で自分の右足をつねっていました。結局、ケイトは半日で複雑な動きの順番を覚え、次の日には「飛燕」をマスターしてしまいました。